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南九州の滝

広島に帰省中に急遽南九州旅行が決まった!決断が早いことが我が一族の特長だがその結果は?

広島から鹿児島までは高速道路を利用して532km。それほど遠い距離ではない。広島−富山間とほぼ同じ距離だ。 しかし夏の帰省シーズンで宮島、小倉東、広川近辺ではちょっとした渋滞があった。
はYafooの地図です。適宜縮尺を変えて付近の道や位置関係を確認ください。


滝名場所 徒歩の高低
89鹿目の滝熊本県人吉市50m以内
98龍門滝鹿児島県加治木町20m以内
94関之尾滝宮崎県都城市50m以内





鹿目の滝
広島を10:00過ぎに出発。山陽自動車道、中国自動車道を西進し、そして九州自動車道をひたすら南下する。 九州自動車道は八代を越えると急に険しくなり、トンネルが続く。特に肥後トンネルは約5kmもある。 まもなく山江SAがあり、ここで一休みして滝の場所を確認する。 人吉ICで高速道路を出て、同市を横断する国道445号を西進し、宝来町にある交差点を直進して一般道に入り西瀬橋を渡るとまもなく「鹿目滝」の看板が現れるのでそれに従って車を進める。 道は多々狭小になるがさほど悪くない。

鹿目滝MAP

鹿目滝へと続く道を進むと滝の看板がある。 駐車する場所は、広くないが滝へと向かって降りる階段の手前に少し道が広がったところがあるのでそこを利用する。 階段を降りて橋を渡るとまもなく美しい柱状節理の屏風を落下する鹿目滝(雄滝)が現れる。 鹿目滝は左の地図のように「雄滝」「雌滝」「平滝」の三つからなる。 「雌滝」は看板がなくてわかりにくいが、キャンプ場にある東屋の奥の草むらの中にある。 うっそうとした藪の中にあるので、鮮明な写真を撮るのはかなり難しい。
鹿目の滝は、高さ36mの雄滝、30mの雌滝、そして雄滝上流の平滝の3つの滝からなる豪快な滝です。日本の滝100選にも選ばれ、轟音とともに白い飛沫を上げて垂直に流れ落ちる様はまさに圧巻。滝の周辺は真夏でも非常に涼しく避暑地としては最高のロケーションです。8月には地元住民らによる「鹿目の滝まつり」も開催され、毎年大勢の人で賑わいます。

(現地の看板より)

鹿目の滝

滝は、鹿の目のようにつり目の柱状節理を縦に貫く鋭い瞳といったところ。 しかしバンビの瞳はもう少し丸かったかも。もう一度鹿の目をよく見てみよう!
2007年8月12日

夕日の霧島韓国岳

鹿目の滝を見学したあと、再び人吉ICから九州自動車道に戻り、鹿児島西ICへと南下する。 途中雲を戴く霧島の「韓国岳」を望みながら進む。 その日は、前日に電話予約した鹿児島市山之口町にあるプラザホテル天文館に宿泊。 シングルは一泊5,700円で、とても清潔なビジネスホテルである(車は一泊1,000円)。 歓楽街の中にあり、付近には黒豚や地鶏料理の店が多い。その一軒で鹿児島名物の黒豚の豚カツを賞味した。

前の滝トップホーム次の滝



龍門滝
翌8月13日のスケジュールは忙しい。九州の滝を全制覇するためには本日は4つを踏破しないといけない。 したがって朝が遅い九州ではまだ薄暗い6:30にホテルを出発。 鹿児島西ICから九州自動車道を加治木ICへと向かう。 龍門滝は九州自動車道からも眺めることができる。 近くに行くためには、加治木JCTから東九州自動車道に入るとすぐ加治木ICがあるのでそこで高速道路を出る。 そして下図のように進む。 駐車場は3ケ所あり、どれも無料だ。 この滝は平野に直接落ちる滝なので、これほど徒歩の高低差もなく、楽して拝める滝は珍しい。 しかも、しらすを含む重そうな水が、濁流となり40m幅で豪快に落下する圧倒的な滝である。

龍門滝MAP

龍門滝
往き来さ道ゆく人も暫しとて 立ちかへり見る滝の白糸

第十八代藩主 薩摩家久

その昔、唐人が「漢土の龍門の瀑を見るがごとし」と賞したことから、この名があると伝えられています。 高さ四十六メートル、幅四十三メートルもあって、岩肌を見せながら滝つぼにめがけて落ちるしぶきは豪快で、かの橘南渓は「西遊記」の一節で絶賛し、また儒学者の「安井息軒」も来観したこともあり、県下でもまれに見る名瀑のひとつです。
この滝から約8百メートル隔てた上流にある板井出の滝(金山橋の近く)までの一帯(広さ二十二ヘクタール)は、「龍門滝の森」と名づけられ、県の森林浴の森「渓流コース」として指定を受け、川のせせらぎと自然石の変化が素晴らしく、町民の憩いの場となっています。
この一帯には、遊歩道をはじめ、エビネの森、展望所などを設置し近くには県の指定文化財「龍門司坂」もあります。
昭和六十三年十一月

加治木町 (現地の看板より)

龍門滝

前日は高速道路から錦江湾の桜島は暗い影として見えていたが、この朝は小雨が降り、桜島付近はガスって珍しく何も見えなかった。 九州に何度か来たが初めての経験である。
2007年8月13日

前の滝トップホーム次の滝



関之尾滝
加治木ICから再び東九州自動車道に入り、(現在終点の)末吉財部ICで国道10号線に入る。道の駅「すえよし」から2番目の信号を左折し財部(たからべ)駅の方向へ進む。 財部駅を右から回り込む形で超え関之尾方面へ向かう。 下図のように駐車場は3ケ所ある。

関之尾滝MAP

関之尾公園の滝と甌穴
昭和3年国の天然記念物指定(甌穴)
昭和35年宮崎県立母智丘関之尾自然公園指定
平成元年 日本の滝100選入選

関之尾公園には大滝(幅四十メートル高さ十八メートル)、男滝、女滝の三つの滝があります。 滝の上流へ六百メートルにわたって広がる甌穴郡があります。 この甌穴(小さな瓶の様な穴)は、約十一万年前に形成された河床の大きな溶結凝灰岩(火砕岩の一種)の割れ目に砂や石ころが入り水の力と長い年月をかけてでき上がったもので現在も進行中です。 大きいものは3メートルを超えるものなど、一帯に数千個の穴が散在しています。 日本では、木曽川や、この庄内川の上流に小さいものはありますが、こんなに大規模なものは世界でも類がないといわれ、フランスにあるボンデスールより大きく世界一であると地質学の権威者は賞賛されております。 また昭和五十四年には、緑の村(宿泊施設、売店、食堂、テニスコート、プール、キャンプ場)を開設するなど、四季を通じ自然を満喫できる公園として整備を施しています(現地の看板より)。

関之尾滝

関之尾公園に伝わる物語
今から六百年前、時の都城城主北郷資忠公が家臣を引き連れてここで月見の宴を行いました。 こうこうたる月に映える滝の美しさ、甌穴の不思議な水の流れに一行は酔ってしまいました。 この宴には庄内一の美女十八才の通称お雪(おしず)がよばれ、殿様にお酌をしますが、緊張のあまり酒をこぼしてしまいました。それを苦にしたお雪は宴の終わった後滝つぼに身を投げました。 お雪の恋人経幸は日夜悲嘆にくれて滝の上から声を限りにお雪の名を呼び続け泣き悲しみ、槍の穂先で岩に思いをこめた一首の歌を刻み残し行方が分からなくなりました。
書きおくもかたみとなれや筆のあとまた会うときのしるしなるらん この経幸の想いが通じて、毎年名月の夜になると朱塗りの盃が滝つぼに浮かんでくるのでした。二人を偲んで恋人同志で男滝、女滝に酒を流すと必ず結ばれるという。

都城市 都城観光協会(現地の看板より)

甌穴の間から染み出している、不思議でかつ勇壮な滝である。 またこの伝説からわかることは、どんなに暑くても、落差が低いとはいえ少なくとも滝つぼには飛び込まないほうが良さそうなことだ。この滝に由来するこの伝説にちなんで中国の美しい青春の歌を自訳してみた。雄滝、雌滝に酒を流した若い男女は、下の歌のように後悔する前に相手を傷つけないように気をつけましょう。
2007年8月13日


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