ホーム

阿波の山岳と渓谷

秘境 徳島の滝は水量豊富で個性豊か。


最後に訪問した徳島県の滝々はとても表情豊かで各々すばらしかった。 紀伊半島の東南の三重県、和歌山県もすばらしい滝が多い。 紀伊半島の東南、四国の東南ともに雨が多く山が深いという相通じるものがあるのだろう。 いずれも秘境の名瀑というイメージである。 まだ見ぬ九州東南の宮崎、鹿児島には必ずや立派な滝があるはずと心が弾むのであった。
はYafooの地図です。適宜縮尺を変えて付近の道や位置関係を確認ください。


滝名場所 徒歩の高低
76大釜の滝徳島県那賀町20m以内
77轟九十九滝徳島県海陽町150m程度
78雨乞の滝徳島県神山町100m以上





不気味な大釜の滝
轟ノ滝を鑑賞した後国道195号線を東に進み、四ツ足峠トンネルを越えて徳島県に入る。 当初は、那賀町平谷で国道193号に入り南下し海陽町(旧海南町)に向う予定であった。しかし193号線に入ったとたん、道路崩落のため海陽町には通り抜けできないという看板がある。 仕方がないので、翌日訪問予定であった「大釜の滝」を先に見学することにした。 那賀町日真から国道193号線を北上。旧木沢町に入ると、山の斜面のあちこちが崩落しており、道路は方々で修理中である。片側交互通行が数ケ所あった。

大釜の滝マップ

この国道193号線は悪道であることは知っていたので、あちこちの山の斜面が崩落しているこの日、この道が滝まで無事つながっているのか心配であった。 しかし幸運にも、険しいこの国道はなんとか滝まで通じていた。 この悪道でも、四国の東側山中を南北に貫く基幹道である。

大釜の滝へのトンネル

滝の手前のトンネルはこのように岩をくりぬいただけの、いつ崩れてもおかしくないようなものであった。ガードレールも傷んでいるし。これが国道?
この道の麓は晴れていたのに、登るにしたがって暗雲たちこめ不気味な雰囲気になってきた。

大釜の滝

トンネルを抜けるとすぐ左手に「大釜の滝」の看板があり、車が2〜3台停まるスペースがある。
道路脇の階段を下りていくと滝壺に出る。「大釜の滝」は、山肌のぽっかりと抉られた甌穴から流れ落ちる、実に「不気味」な滝だ。 秘境の滝という感がひしひしと伝わってくる。
2006年5月2日

大轟の滝

「大釜の滝」を後にし、国道193号を南に戻る途中、とても美しい滝があるのに気がつく。 行きは見落としたが、帰りは上から見下ろせたために気がついたのだろう。
滝の名前は「大轟の滝」。この滝は「大釜の滝」の下流の沢谷川にある。

前の滝トップホーム次の滝



至宝 轟九十九滝
国道193号線は海陽町入口の霧越峠が通行不能なため、大釜の滝から海陽町に予約した公共の宿に行くためには、 国道195号をさらに徳島市側に東進し、川口ダムから美波町(日和佐)へ南進する県道を通るという思わぬ遠回りを余儀なくされた。 しかし、この県道は予想に反してとてもよい道で、かつ交通量が少なかったため18時前には旅館に到着することができた。 けれども苦労してここまで来るに値するすばらしい滝群が、海陽町にある。これは四国の至宝の滝、「轟九十九滝」である。

轟九十九滝マップ

翌朝、海陽町(旧海部町)にある旅館を7:30に出発。国道193号を北上すること「轟の滝」までは27q。 この国道は、最初の10km位までは片側1車線ずつの快適な道だが、それ以降は極端な田舎道になる。 しかし、「轟の滝」までに県道も含めて特に道路の破損箇所はなく、また朝が早かったため対向車も少なく順調に滝の入口に到着。

轟の滝(裏本滝)

轟の滝(裏本滝)は、駐車場から川に沿って進めばよく、駐車場からすぐ目の前にある、橋を渡って神社の方へ向う必要はない。 我々は、この神社に向う橋を渡ってしまったため、とてつもない徒労をしてしまった。 神社の裏山を無駄に越えていくことになるからだ。
この轟の滝「裏本滝」は本当に美しい。朝日を受けて青く輝くロマンチックな滝である。
神社の巫女さんが、この滝と神社の間を何往復かする神事の修行を行っていた。

二重滝

轟九十九滝の「九十九」は、「赤目四十八滝」の「四十八」と同じように「多くの滝がある」という意味だ。 裏本滝から次の滝に行くためには、いったん駐車場の方向に戻り、川の左の崖にある延々と続く階段を登らないといけない。 見た目「うっ」とくる階段である。しかし頑張ると褒美がある。まずこの「二重滝」だ。

不動滝

「二重滝」からも先も階段が続き、次に現れるのは不動滝である。 「不動滝」という名前の滝は、「赤目」、そして次に訪れる「雨乞の滝」にもあり、形は決まってシンプルで滝幅が比較的広い。

鳥返し滝

「不動滝」からこの「鳥返し滝」までには、「横見滝」、「舟型滝」、「丸渕滝」と続く。 そしてこの「鳥返し滝」から終点の「鍋割滝」までは700mのなだらかな遊歩道が続く。

鍋割滝

最後の「鍋割滝」は、「裏本滝」に匹敵するすばらしい滝である。 滝の裏が大きく抉れており、まるで大きな鍋の端が割れて多量の水がこぼれて出ているという感じがする。 落差もかなりあり、朝日を受けて銀色に輝くこの滝の爽やかな瀑音と水飛沫がとても心地よい。
2006年5月3日

前の滝トップホーム次の滝



剣山系 雨乞の滝
さて、轟九十九滝から次に向うのは、100選の滝の四国最後の滝、「雨乞の滝」だ。 国道193号線が北上できないこともあり、いったん海陽町に戻り、国道55号線→美波町日和佐→県道→相生町→国道195号及び県道→阿南市・小松島市・徳島市の西端を通り佐那河内村というルートを選んだ。 以前阿南市、小松島市を通ったとき予想外に渋滞していた経験があるため、道は悪くても都心を避けようという考えだ。 しかし、佐那河内村に至るまでの県道は広くなったり狭くなったり、あいかわらずだ。 佐那河内村から、徳島を左右に貫く国道438号線に入り西進する。 国道438号も佐那河内村から神山町に抜ける峠は、これまた農家の裏道である。峠を越して神山町に下ると、道は急に広くなる。

雨乞の滝マップ

神山町市街に近づいたら、町役場のほうの旧道に入る。そして高根谷川に沿って細い道を登っていくと駐車場にでる。 (我々は、とんでもないところから入ったために、小さな尾根越えをする変な道を通ってしまった。)
雨乞の滝は、滝群である。滝群の特長は、、、道がきついこと。

もみじ滝


駐車場からは、延々と急な上り坂である。しかし左の地図にあるように、様々な滝が現れるため飽きさせない。

観音滝

雨乞の滝は、われわれが今回訪問した8つの滝の中ではもっとも観光客が多く、老若男女、カップル等様々な方達が遊歩道を滝へと向っていた。もみじ滝、観音滝を越すと、延々と続いてきた坂道はやがて終点に近くなる。
雨乞の滝
この滝には、竜王神と不動尊が祭られています。
昔から日照りが続いたときには、村人が鉦や太鼓をたたいて、踊りを奉納して雨乞をしたとのことです。 右側の断続的な滝が雄滝、左側が雌滝で、阿波十二勝の一つとして、四季を通じて水量は多く、夏なお肌寒いところです。
四国のみち 環境庁 徳島県 (現地の看板より。)

雨乞の滝

最後に大きな壁を回ると正面に見えるのが雨乞雌滝、そして右手を振り向くと、豪快な雨乞雄滝が現れる。 水量豊かで水飛沫が爽やかなこの滝は、四国の滝めぐりの最後をしめくくるには相応しい滝であった。
この滝の近くの休憩所で、コンビニで買ったおにぎりとサンドイッチの昼食をとる。なんとも爽快である。
2006年5月3日

剣山

最後の「雨乞の滝」の鑑賞後、時間が余ったら立寄ろうと予定していた「剣山」へと向う。 国道438号線を西進するわけだが、この道の良し悪しに関してはこれまでどおり。 悪道走行もだいぶ慣れてきた。 険しい山腹を対向車に気をつけながら登っていくと車で登れる最高点の「見ノ越」に着く。 ここからリフトを利用すると山頂が近いらしい。 しかし我々がここに到着したのが15:30頃であったため、登山は断念。 「見ノ越」から山頂を眺めることですませた。

標高1,955mの剣山と1,717mの丸笹山の間にあるこの「見ノ越」から、 東に「天神丸」、「高城山」、「平家平」等の1,600m級の連山が望める。 この連山の東果ての「雲早山(1,496m)」等を水源とするのが、「雨乞の滝」「大釜の滝」である。
西には「高ノ瀬」、「三峰」等1,700〜1,800m級の山々が望める。 この西に続く連山の果てに梶ケ森(1,400m)、鉢ケ森(1,270m)があり、それぞれ「龍王の滝」「轟の滝(高知) 」を生み出している。
さらにここからは見えないが、剣山から四ツ足峠を経て南の延びる峰峰の先に甚吉森(1,423m)、そしてその山系に神戸丸(1,148m)、吉野丸(1,116m)があり、ここから生まれているのが「轟九十九滝」である。
これらのすばらしい滝々の生み親は剣山を主峰とする剣連山であったのだ。

帰りは、「剣山」から国道438号線を北上して下山し、つるぎ町貞光を通り越しひたすら北へと向い、坂出ICから「瀬戸中央道」に入った。 貞光から坂出ICまでの国道438号線はとても良い道で車も少なく快適なドライブが楽しめた。

ピンクの道が通った道です。


前のページ前の滝トップホーム次の滝次のページ