伊豆の河津七滝と 浄蓮の滝
石川さゆりの「天城越え」のメロディーが頭に浮かぶ。昨晩と今朝は、伊豆熱川のホテルの大浴場にゆっくり浸かった。日本人には温泉がなにより。今日は、天城峠の南にある「河津七滝」から北にある「浄蓮の滝」への観光だ。過去より、旅人は峠越えの前後に、この滝々に立ち寄りしばしの寛ぎを求めたらしい。旧天城峠に立ち寄れれば最高である。
熱川温泉から夜明けの伊豆大島を
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河津七滝
河津七滝の魅力は、「河津七滝温泉」という温泉郷の中にある滝郡ということ。遊歩道もなだらかであり「釜滝」「大滝」「初景滝」等の
立派な滝もある。一泊してのんびり過ごすなら、「熱海」や「伊東」よりよっぽど楽しいかもしれない。なお、ここの各滝は「タキ」ではなく「タル」と読むとのこと。例えば大滝は「オオダル」と発音する。
熱川から片瀬温泉、白田温泉、そして「金目鯛」で有名な「稲取温泉」を経由し、河津浜温泉から県道を北上する。距離にして20km足らず。8:15に熱川を出発したが、9:00頃には「河津七滝温泉」に到着。
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河津七滝〜大滝入口
ループ橋の手前に「河津七滝」の看板があるので右折しループ橋下の駐車場へ。
駐車場から舗装道を歩いて温泉郷に入ると、すぐにこのような大きな「大滝」入口の看板がある。旅館の間の小路を下っていく。なお大滝に行くのは無料だが入口が開いているのは9:00〜16:00らしい。 大滝の滝壷あたりは、天然の露天風呂になっている。旅館に宿泊した人もしくは、入浴料を入口で支払った人のみ利用できるとのこと。
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大滝(高さ約30m幅約7m)
大滝からの戻りに浴衣姿の若い女性グループとすれ違った。
こんなことなら温泉に入ればよかったなどと...。
次の滝を見るためには、今来た旅館の間の小路を入口まで戻って舗装道(車道)を先に進む。
この辺には公衆トイレがないので、土産物屋のトイレを借用しよう。なお、お礼に購入するのは「わさび豆」がさわやかで美味しい。
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出合滝(高さ約2m幅約2m長さ約18m)
車道をほんの少し進むと「出合滝」入口の看板がある。また、車道を外れて川の方に下りていくが「大滝」程は下らなくてもよい。多分二つの水系が合流しているので「出合」という名前がついたのであろう。さらに奥に進むと「大滝」の上にでる。次の滝を見るためには再度車道にもどって先へ進む。
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かに滝(高さ約2m幅約1m長さ約15m)
出合滝から少し進むと、「かに滝」の看板があるので最初の2つの滝と同様に川へと下りていく。「かに滝」の前には朽ちた料亭跡(?)がある。今は、カニには見えなくなってしまったとのことだが、昔はこの滝を見ながらのんびりと酒を交わしたのだろう。
川端康成の名作 伊豆の踊子
踊子と学生が歩いた道のりを辿る。
時代のヒロイン主演で映画化6回
第一回 昭和8年 田中絹代・大日方伝
第二回 昭和29年 美空ひばり・石浜 朗
第三回 昭和35年 鰐淵晴子・津川雅彦
第四回 昭和38年 吉永小百合・高橋英樹
第五回 昭和42年 内藤洋子・黒沢年男
第六回 昭和49年 山口百恵・三浦友和
(現地の看板より)
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遊歩道
なお、車道は「かに滝」あたりから、このようなよく舗装された遊歩道にかわる。ここで初めて清潔な公衆トイレがある。土産物屋でトイレを借りる度胸がない方はここまで我慢しよう。なおトイレの前に「踊子と学生」の像がある。
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初景滝(高さ約10m幅約7m)
この初景滝の前にも「踊子と学生」の像がある。ここでよく舗装された遊歩道は終わる。
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先の三つの滝への入口
初景滝から先は、山道になる。観光バス旅行ではここで引き返すらしいが、ここから最後の「釜滝」まで徒歩10分なので、「釜滝」を見ないのは本当にもったいない。
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へび滝(高さ約3m幅約2m長さ約25m)
山道に入って最初の滝がへび滝である。滝を構成する岩々の表面がヘビの鱗のように見えるからこの名前がついたのか?
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えび滝(高さ約5m幅約3m)
「えび滝」は、峡谷の滝というイメージで美しい。えび滝は正面の吊橋から鑑賞できる。
柱状節理
河津七滝の周辺には岩が柱状に規則正しい割れかたをしている姿を見ることができます。これを節理といいます。溶岩がゆっくりと流れながら冷えていくときにできるものでその割れかたによって方状、板状、柱状節理などがあります。河津七滝の場合は、玄武岩の溶岩から出来た柱状節理で、中でもこの釜滝では、はっきりとその露頭をみせています。そして、この玄武岩よりの湧水(毎分三千リットル)が、この地域の水源となっております。(釜滝の看板より)
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釜滝(高さ約22m幅約2m)
最後の「釜滝」は、河津七滝の中で最もすばらしい。滝左側の岩盤の節理もみごとなものである。天城峠の北にある「浄蓮の滝」との兄弟滝のように思える。ここからさらに上流の「平滑の滝」、「二階滝」を経由して旧天城峠を越し「浄蓮の滝」まで歩くと「伊豆の踊子」気分に浸れるのだろうが、所詮時間のないサラリーマンにとっては夢のまた夢。定年退職後の楽しみとして取っておこう。
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天城峠と浄蓮の滝 |
河津七滝から、天城峠へと国道414号を北上する。まもなく「旧道」という看板があるので、そちらへ入ってみる。ここを進めば旧天城トンネルだ。しかし旧道に入ったとたん、「切り替えし」をしないといけないようなきついヘアピンカーブがあり、その先は未舗装道。先日「通行止」を進んでしまったためにパンクさせてしまったことが頭をよぎるので、ここは断念。Uターンし新天城トンネルを通るに甘んじた。なお、われわれの車に続いて入ってきた「四駆車」もそうそうに引き返していた。
しかし、私が小学校のころ、ここを「路線バス」で通ったのを覚えている。そのバスの運転手は、運転台や後尾を崖からはみ出しながら運転しており、一番前に乗っていた私は、「吐き気」がするわ「恐ろしい」やでたまったものでなかった。途中、谷に落ちた赤い車が見えたりして。あらためて「旧天城峠」の入口に来て、それは、今でも、比較的小さいマーチにとっても「ウッ」とくる道だったのだとわかった。昭和45年に新天城トンネルができたとのことで、小学校のころの体験は貴重となった。
今も旧天城トンネルは国道だが、これは「遊歩道」と考えたほうが良さそうだ。
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浄蓮の滝MAP
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天城峠
新天城トンネルを出たところのバス停。付近には民家もなにもないので、旧天城峠へ登るためのものと思われる。なお、この看板の下に「行方不明者」の写真が貼ってある、、、が、どうしろというのだろう?
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森の駅 天城越え
トンネルを出てしばらく進むと「道の駅 天城越え」がある。
踊子歩道は、浄蓮の滝と河津七滝を天城峠越えに約16.2km(所要時間約8時間)のコースで自然と歴史の散策歩道です。また途中には太郎杉遊歩道などが分岐しています。(現地の看板より)
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浄蓮の滝
さて、まもなく浄蓮の滝に到着。観光地である。駐車場は満車だがなんとかもぐりこんだ。駐車場から川に向って少し下りる。「このような観光地は別の視点で見たほうがいい」と訳のわからないことを言っている彼氏と、意味もわからず頷いている彼女のアベックがいた。滝の周辺の崖は多くの羊歯で覆われている。
滝の近くには「石川さゆり」の天城越えの「楽譜と彼女の顔の看板」がある。
高さ25m幅7m
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ワサビ田とワサビ店
この一帯は、長野の「安曇野」と同様にワサビの名産地のようだ。滝の近くの売店の前にはワサビ田がある。ワサビは水がきれいなところしか育たないとのこと。
またこの滝下の川では入漁料を払うと鱒釣りができる。
静岡県指定天然記念物 ハイコモチシダ(別名ジョウレンシダ)
浄蓮のハイコモチシダは中国南部、台湾、フィリッピン、インドシナ、東インド、ヒマラヤ、国内では鹿児島県北部、熊本県南部、それに伊豆(西伊豆町仁科川流域及び浄蓮の周辺)で、当地が北限である。
この滝の両側玄武岩の断崖及びその近くに群生して見えるのがハイコモシダで、その特徴は胞子でふえる以外に葉の先端近くの中軸の裏側に米粒大から指頭大の褐色の鱗片におうわれた不定芽(無性芽)を一個から3個生じこれが地面に接すると鮮紅色の新芽を生じ新しい個体となる珍種である。(現地の看板より)
2004年12月19日
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