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伊豆箱根の滝々

こんどこそ本当の2004年滝巡りの終わり(?)

伊豆・箱根にも100選の滝がある。箱根山麓の神奈川県山北町の「洒水の滝」と、伊豆半島の石川さゆりの演歌「天城越え」で有名な「浄蓮の滝」である。箱根・伊豆いずれも日本で有数の温泉地。滝観光以外にも十分温泉を満喫できた。
はYafooの地図です。適宜縮尺を変えて付近の道や位置関係を確認ください。


滝名場所 徒歩の高低
31洒水の滝神奈川県山北町ほとんどなし
49浄蓮の滝静岡県天城湯ヶ島町下り20m程度?



箱根山麓 洒水の滝
御殿場ICから20km程度。山北町の平山地区にある。神奈川県という都心に近い所にもかかわらず、予想に反して優雅で美しい滝であった。
国道248号線の樋口橋交差点を南にまがると「洒水の滝」という看板があるので右折する。行楽客が多いときはこの入口に駐車しないといけないようだが、12月という季節柄か、旅館街の入口に駐車できた。この時期でも観光客がパラパラとしていた。

旅館街を抜ける滝への道は整備されており、情緒もある。途中の休憩所ではまだ紅葉が残っていた。しかし午前中に行った静岡県の「安部の大滝」周辺とは違い、関東地方のこのあたりはさすがに寒い。

旅館街


12月の紅葉


名水百選

ここの岩清水は「名水百選」に選ばれている。これまで旅行した中で偶然出遭ったのは「天橋立」、「郡上八幡」、「熊野古道」であり、予期せず『4番目の名水』にありつけたわけだ。看板に「消毒してありません」と書いてあったので、相棒は「飲まないほうがいい」と言っいたが、そういう問題であろうか?水はそれほど冷たくはなかった。

ここから滝へと続く道はなだらかである。滝に最も近い「滝見台」までは、落石の危険あり、として封鎖されているが、そこまで行かなくてもこの美しい滝を十分鑑賞できる。
実際は、この滝は三段の滝で「一の滝 落差69.3m」「二の滝 落差16m」「三の滝 落差29.7m」の合計114mの滝である。しかし、「一般の観光者」はもっとも下の「一の滝」しか見ることができない。下から一生懸命覗いても上の二つは全く見えない。上流の木々を切れば見えるのかもしれないが、景観を壊してしまう。せめて真冬で木々が落葉したときでも見えないものか?
駐車場から徒歩5分
2004年12月18日

洒水の滝

神奈川県指定名瀑
洒水の滝
昭和三十年五月十日制定
洒水の滝は、足柄郡山北町にあって、平山の滝、又は灑水の滝といわれいたが、いまは一般に洒水の滝と呼ばれている。その水源は西北を限る八百メートル及び五百メートル」連嶺の東南方山地の水を集めて流れるものである。 附近一帯の地質はよく磨かれた大小の礫を含む礫岩層で第三紀の足柄層と呼ばれている。 この足柄層の隆起に伴って生じた裂線を浸蝕する瀑流が、標高三百メートルから二百メートルの間で三段の瀑布となっている。 その高さは三の滝二十九.七メートル、二の滝十六メートル、三の滝六十九.三メートルあって下滝沢川となって酒匂川に合流する。浸蝕谷の入口平山から滝壺までの間には礫岩層が至る所に横たわって滝沢川不断の浸蝕によって滝口が 後退し現在の絶壁に東面してかかっている滝は関東屈指の名瀑である。
昭和五十四年一二月二十日
神奈川県教育委員会

初冬の箱根
今回の旅行では、「楽天の旅窓」で伊豆半島の熱川温泉の温泉宿を格安で予約していたので、箱根を抜けていくことにした。小学校のころ、そして就職してから5年前まで東京にいたので、よく箱根には行ったものだ。ただし、箱根スカイライン、芦ノ湖スカイラインが晴れていた記憶はない。今回は貴重な経験となった。

箱根スカイラインから富士を

ここは本当に寒かった。とにかく風が強く、長時間車の外にいることができない。このおかげで風邪をひいたのか、ホームページを作りながらも寒気や頭痛がする。

箱根スカイラインから芦ノ湖を

芦ノ湖スカイラインにある茶店には「ウコッケイ」「ヤギ」等いる小動物園がある。こういうところではどんなに寒くても相棒はなかなか動かない。

さて、箱根の「道の駅」で蕎麦を食べて、熱海方面へ下り、伊豆半島の東海岸の国道135号線を、熱海、網代、伊東、川名、赤沢、北川の各温泉郷を抜け「熱川温泉」で宿泊。

前の滝トップホーム次の滝



伊豆の河津七滝と 浄蓮の滝
石川さゆりの「天城越え」のメロディーが頭に浮かぶ。昨晩と今朝は、伊豆熱川のホテルの大浴場にゆっくり浸かった。日本人には温泉がなにより。今日は、天城峠の南にある「河津七滝」から北にある「浄蓮の滝」への観光だ。過去より、旅人は峠越えの前後に、この滝々に立ち寄りしばしの寛ぎを求めたらしい。旧天城峠に立ち寄れれば最高である。

熱川温泉から夜明けの伊豆大島を


河津七滝

河津七滝の魅力は、「河津七滝温泉」という温泉郷の中にある滝郡ということ。遊歩道もなだらかであり「釜滝」「大滝」「初景滝」等の 立派な滝もある。一泊してのんびり過ごすなら、「熱海」や「伊東」よりよっぽど楽しいかもしれない。なお、ここの各滝は「タキ」ではなく「タル」と読むとのこと。例えば大滝は「オオダル」と発音する。

熱川から片瀬温泉、白田温泉、そして「金目鯛」で有名な「稲取温泉」を経由し、河津浜温泉から県道を北上する。距離にして20km足らず。8:15に熱川を出発したが、9:00頃には「河津七滝温泉」に到着。

河津七滝〜大滝入口

ループ橋の手前に「河津七滝」の看板があるので右折しループ橋下の駐車場へ。 駐車場から舗装道を歩いて温泉郷に入ると、すぐにこのような大きな「大滝」入口の看板がある。旅館の間の小路を下っていく。なお大滝に行くのは無料だが入口が開いているのは9:00〜16:00らしい。
大滝の滝壷あたりは、天然の露天風呂になっている。旅館に宿泊した人もしくは、入浴料を入口で支払った人のみ利用できるとのこと。

大滝(高さ約30m幅約7m)

大滝からの戻りに浴衣姿の若い女性グループとすれ違った。 こんなことなら温泉に入ればよかったなどと...。
次の滝を見るためには、今来た旅館の間の小路を入口まで戻って舗装道(車道)を先に進む。
この辺には公衆トイレがないので、土産物屋のトイレを借用しよう。なお、お礼に購入するのは「わさび豆」がさわやかで美味しい。

出合滝(高さ約2m幅約2m長さ約18m)

車道をほんの少し進むと「出合滝」入口の看板がある。また、車道を外れて川の方に下りていくが「大滝」程は下らなくてもよい。多分二つの水系が合流しているので「出合」という名前がついたのであろう。さらに奥に進むと「大滝」の上にでる。次の滝を見るためには再度車道にもどって先へ進む。

かに滝(高さ約2m幅約1m長さ約15m)

出合滝から少し進むと、「かに滝」の看板があるので最初の2つの滝と同様に川へと下りていく。「かに滝」の前には朽ちた料亭跡(?)がある。今は、カニには見えなくなってしまったとのことだが、昔はこの滝を見ながらのんびりと酒を交わしたのだろう。

川端康成の名作 伊豆の踊子
踊子と学生が歩いた道のりを辿る。
時代のヒロイン主演で映画化6回
第一回 昭和8年 田中絹代・大日方伝
第二回 昭和29年 美空ひばり・石浜 朗
第三回 昭和35年 鰐淵晴子・津川雅彦
第四回 昭和38年 吉永小百合・高橋英樹
第五回 昭和42年 内藤洋子・黒沢年男
第六回 昭和49年 山口百恵・三浦友和
(現地の看板より)

遊歩道

なお、車道は「かに滝」あたりから、このようなよく舗装された遊歩道にかわる。ここで初めて清潔な公衆トイレがある。土産物屋でトイレを借りる度胸がない方はここまで我慢しよう。なおトイレの前に「踊子と学生」の像がある。

初景滝(高さ約10m幅約7m)

この初景滝の前にも「踊子と学生」の像がある。ここでよく舗装された遊歩道は終わる。

先の三つの滝への入口

初景滝から先は、山道になる。観光バス旅行ではここで引き返すらしいが、ここから最後の「釜滝」まで徒歩10分なので、「釜滝」を見ないのは本当にもったいない。

へび滝(高さ約3m幅約2m長さ約25m)

山道に入って最初の滝がへび滝である。滝を構成する岩々の表面がヘビの鱗のように見えるからこの名前がついたのか?

えび滝(高さ約5m幅約3m)

「えび滝」は、峡谷の滝というイメージで美しい。えび滝は正面の吊橋から鑑賞できる。

柱状節理
河津七滝の周辺には岩が柱状に規則正しい割れかたをしている姿を見ることができます。これを節理といいます。溶岩がゆっくりと流れながら冷えていくときにできるものでその割れかたによって方状、板状、柱状節理などがあります。河津七滝の場合は、玄武岩の溶岩から出来た柱状節理で、中でもこの釜滝では、はっきりとその露頭をみせています。そして、この玄武岩よりの湧水(毎分三千リットル)が、この地域の水源となっております。(釜滝の看板より)



釜滝(高さ約22m幅約2m)

最後の「釜滝」は、河津七滝の中で最もすばらしい。滝左側の岩盤の節理もみごとなものである。天城峠の北にある「浄蓮の滝」との兄弟滝のように思える。ここからさらに上流の「平滑の滝」、「二階滝」を経由して旧天城峠を越し「浄蓮の滝」まで歩くと「伊豆の踊子」気分に浸れるのだろうが、所詮時間のないサラリーマンにとっては夢のまた夢。定年退職後の楽しみとして取っておこう。

天城峠と浄蓮の滝
河津七滝から、天城峠へと国道414号を北上する。まもなく「旧道」という看板があるので、そちらへ入ってみる。ここを進めば旧天城トンネルだ。しかし旧道に入ったとたん、「切り替えし」をしないといけないようなきついヘアピンカーブがあり、その先は未舗装道。先日「通行止」を進んでしまったためにパンクさせてしまったことが頭をよぎるので、ここは断念。Uターンし新天城トンネルを通るに甘んじた。なお、われわれの車に続いて入ってきた「四駆車」もそうそうに引き返していた。
しかし、私が小学校のころ、ここを「路線バス」で通ったのを覚えている。そのバスの運転手は、運転台や後尾を崖からはみ出しながら運転しており、一番前に乗っていた私は、「吐き気」がするわ「恐ろしい」やでたまったものでなかった。途中、谷に落ちた赤い車が見えたりして。あらためて「旧天城峠」の入口に来て、それは、今でも、比較的小さいマーチにとっても「ウッ」とくる道だったのだとわかった。昭和45年に新天城トンネルができたとのことで、小学校のころの体験は貴重となった。
今も旧天城トンネルは国道だが、これは「遊歩道」と考えたほうが良さそうだ。

浄蓮の滝MAP



天城峠

新天城トンネルを出たところのバス停。付近には民家もなにもないので、旧天城峠へ登るためのものと思われる。なお、この看板の下に「行方不明者」の写真が貼ってある、、、が、どうしろというのだろう?

森の駅 天城越え

トンネルを出てしばらく進むと「道の駅 天城越え」がある。

踊子歩道は、浄蓮の滝と河津七滝を天城峠越えに約16.2km(所要時間約8時間)のコースで自然と歴史の散策歩道です。また途中には太郎杉遊歩道などが分岐しています。(現地の看板より)

浄蓮の滝

さて、まもなく浄蓮の滝に到着。観光地である。駐車場は満車だがなんとかもぐりこんだ。駐車場から川に向って少し下りる。「このような観光地は別の視点で見たほうがいい」と訳のわからないことを言っている彼氏と、意味もわからず頷いている彼女のアベックがいた。滝の周辺の崖は多くの羊歯で覆われている。
滝の近くには「石川さゆり」の天城越えの「楽譜と彼女の顔の看板」がある。
高さ25m幅7m

ワサビ田とワサビ店

この一帯は、長野の「安曇野」と同様にワサビの名産地のようだ。滝の近くの売店の前にはワサビ田がある。ワサビは水がきれいなところしか育たないとのこと。
またこの滝下の川では入漁料を払うと鱒釣りができる。

静岡県指定天然記念物 ハイコモチシダ(別名ジョウレンシダ)
浄蓮のハイコモチシダは中国南部、台湾、フィリッピン、インドシナ、東インド、ヒマラヤ、国内では鹿児島県北部、熊本県南部、それに伊豆(西伊豆町仁科川流域及び浄蓮の周辺)で、当地が北限である。
この滝の両側玄武岩の断崖及びその近くに群生して見えるのがハイコモシダで、その特徴は胞子でふえる以外に葉の先端近くの中軸の裏側に米粒大から指頭大の褐色の鱗片におうわれた不定芽(無性芽)を一個から3個生じこれが地面に接すると鮮紅色の新芽を生じ新しい個体となる珍種である。(現地の看板より)
2004年12月19日

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