紅葉の西沢渓谷と 七つ釜五段の滝
名古屋「一宮IC」から中央高速道路で山梨県「一宮御坂IC」へ。そこから北上し国道140号に入り「道の駅みとみ」を越えて雁坂トンネル前の西沢大橋手前を右に入ると駐車場がある。11月6日、名古屋出発がAM3:00。現地に着いたのがAM7:00前。このように早く出たのは、ここは秩父往還(国道140号)雁坂トンネルが開通してから、関東地方から手軽に来ることができるようになり、この方面からの観光客が多く、駐車場が順番待ちになるという情報を事前に得ていたため。
まだ肌寒いAM7:00。なのに登山道入口に近い無料駐車場は満車になる一歩手前。駐車場に入れればもう心配はいらない。おもむろにトレッキングシューズに履き替え軍手をはめて、レーズンロールとペットボトルをリュックに詰め込み、さあ出発。あたりは一面オレンジ色や黄色に紅葉している。すばらしい。これから約5時間の散策が始まる。笛吹川の右岸をせせらぎを聞きながら、舗装された遊歩道を快適に歩く。途中「ナレイ沢」にかかる橋の下から、快い水の調べ。1km程ゆったりと進むと「登山者受付」がある。先の「黒金山」方面まで行く人は、ここで登山者名簿に記名しないといけないらしい。
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西沢渓谷の紅葉
ヌク沢を越える橋を渡るといよいよ登山道入口だ。「東沢渓谷立入禁止、危険」という趣旨の看板がいくつかある。東沢渓谷の入口は、その先の二股吊橋を超えたところ。危険と聞くと覘いてみたくなるのは人情か?でもここは社会人として正規のルートへ。河岸の紅葉を楽しみながら先へと進む。
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三重滝
渓谷をアップダウンしながら進み「大久保の滝」、「魚止滝」を越えると、「七ツ釜五段の滝」の前座ともいえる「三重滝」が現れる。「これ以上登っても紅葉はないよ。引き返そう。」等とふとどき者どもの声もする。
しかし、その後は、「人面洞」「竜神の滝」「恋糸の滝」「貞泉の滝」「母胎淵」が次々と現れる。景観を楽しみながら進めるので片道4kmという距離はあまり気にならない。但し、鎖場等も現れ徐々に登山道は険しくなっていく。
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七ツ釜五段の滝
方丈橋あたりからにわかに辺りが緊張してくる。姿は見えないが瀑音が少しずつ高まってくるからだ。橋の先のきつい階段を登るのは、それへの期待で苦とはならない。階段を登りきった瞬間、目の前に「七ツ釜五段の滝」の最下段が現れる。
「七ツ釜五段の滝」に後ろ髪を引かれながらさらに進むと、後座ともいえる「不動滝」が現れる。ここから「西沢渓谷終点」まで階段を100mぐらい一気に登らないといけない。これはつらい。何度か休憩し、後から来る登山者に「どうぞお先に」と声をかけると、「いえいえそちらこそどうぞお先に」という返事が戻ってくる。
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大展望台からの紅葉
ついに登りきると休憩所があり、仮説トイレが2つある。看板には「西沢渓谷登山者の強い要望から建てられたが、一日200人分しか処理できないので、がまんできる人は麓まで我慢するように。」と書いてある。200人分とは大か小かわからなかったが、とりあえずそのあたりで朝食のレーズンパンとペットボトルを。
ここから山肌を辿る下山道は、予想に反してとても「楽」。この道はその昔、西沢渓谷の奥から木材を積み出すトロッコが走っていたのだ。あちこちにレールの残骸がある。登りは馬がトロッコを引っ張り、帰りはブレーキだけで下りてきたとのこと。したがって、距離は長いが広く緩やかな下り坂が続きアップダウンがない。ところどころ、トロッコがひっくり返り転落したところにその記念の名称がついている。また最近、立派な鉄の橋がいくつも架けられ歩きやすい。木々の間から「七ツ釜五段の滝」の全景が小さく見える。そして最後の名所の「大展望台」から見事な紅葉の山々を眺めることができる。
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「登山者受付」まで下山すると、何とこれから山に入ろうとする人また人。老若男女。まるで野球観戦の帰りの行列のようだ。さすがに皆トレッキングシューズか運動靴を履いている。弁当が入っているビニール袋を持った一団。背広を着た旅行会社の人。警察官や山岳救助隊も多く待機していていた。動物連れはとても危険であること、ハイヒールやサンダルは厳禁。滝壺に落ちると二度と浮上しないと書いてあるチラシも積んであった。
駐車場も、入る車と出る車で詰まってしまい、脱出するのが大変であった。 ともあれ5時間にわたるトレッキングを終えた後は「道の駅みとみ」で「きのこ蕎麦」を賞味し、いざ「昇仙峡」へ。
2004年11月6日
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絶景の登仙峡と 仙娥滝
西沢渓谷から国道140号線を南下し甲府市内に入る。甲府市内から昇仙峡に向かう道はけっこう細くてややっこしいが、ここはカーナビの力で通り抜ける。
昇仙峡の中央に「県営駐車場」があり、ここから1.7km上流の仙娥滝の先の「市営駐車場」を目指して渓谷沿いに歩いていくことにした。なお県営駐車場に駐車できたのは、本当に幸運。たまたま出発する車があったからで、駐車場も辺りの道も車でびっしり。 渓谷沿いの遊歩道もお祭りの屋台の間のように、観光客で溢れ返っていた。西沢渓谷は登山であったが、こちらは観光地そのもの。ハイヒール、つっかけ、サンダル。相棒のリュックの「熊避け鈴」が、まるでお遍路の鈴のように場違いに聞こえた。
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昇仙峡
駐車場から昇仙峡の川「荒川」河岸に下りると宝石博物館やみやげ物店が並んでいる。そこから少し進むと紅葉の中、奇形の覚円峰が聳え立つのが目に入る。
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覚円峰
人の流れにのってゆっくり上流に向かうと、紅葉の間から奇岩の数々を見ることができる。「石門」と呼ばれる洞窟をくぐると遊歩道が始まる。
昇仙峡の紅葉は、本当に鮮やかである。カメラを持った観光客が、いったいどこにアングルを向けて撮影すればいいのかと悩むほどあちこちが紅葉していた。「夢の松島」と呼ばれているあたりからは、原色の紅葉の間に覚円峰の奇岩を望める。見事としか言いようがない。
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昇仙峡の紅葉
しばらく進むと、瀑音が次第に高まり仙娥滝が出現する。このちょっと上に市営駐車場があるため、上から下ってきた観光客と、下から登ってきた観光客とでごっちゃがえしていたが、なんとかもぐりこみじっくりと写真を撮った。 落差30mとのこと。左側の良く磨かれた一枚の岩盤が美しい。豪快な滝を見ながら緩やかな階段を登っていくと、アメジスト(紫水晶)の原石やそれを加工したアクセサリの土産物屋が立ち並ぶ。また「世界で二番目に美味しい」と鳴り物入りの「巨峰アイスクリーム」を食べる。それから今来た道をもとの駐車場まで戻る。
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仙娥滝
当日は早めに甲府市内のビジネスホテルにチェックイン。
甲府の繁華街は人通りが少ない。夕食をとる店を探すのにも苦労したが、意を決して入った韓国料理店では烏龍茶が一杯1,000円でびっくりした。名古屋の錦なみか。。。
なお、ビジネスホテルでは、日テレ系、TBS系の地元の2つの民放以外に、東京のフジテレビ、テレ朝、テレビ東京も見ることができ、テレビに関しては山梨県民はさほど苦労していないと思った。
2004年11月6日
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