赤城山麓の 棚下不動の滝
ゴールデンウィークの最終の土日の天気はあやしい。せっかくだからその前にもう一箇所訪問することにした。少しずつ東京から遠くなっており、ついに5時20分に西船橋を出発することとなった。東京から日帰りで行けそうなのはあと3〜4個だろう。
駅前探検倶楽部で検索すると、なんと亀戸から東武線に乗り伊勢崎で両毛線、そして新前橋から上越線に乗り換えるというルートが最も安いらしい。
東武線には3時間も乗車することになるが、価格は1,160円。動く書斎としてはお得である。
この滝の旅行記は車で行ったものが多いので、あえて電車での行きかたをご紹介したい。
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棚下不動の滝は、このように上越線の津久田駅から2km範囲にある。駅からは徒歩で往復2時間もあればよい。
津久田駅は無人駅であるが、1時間に1本は停車する電車がある。駅には「名所旧跡」の看板もない。商店も食堂もまったくない地味な駅前だ。
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上越線津久田駅
この駅の柵の外にはサツキが植えてあり満開であった。
駅を降りたのは3人位で、そのうち二人は電車が去ったあとの線路上を歩いて行った。何があるのだろうか?
私は、歩行者専用の踏切を渡り民家の間の細い道を通り、畑の間を抜けて県道に出た。
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利根川
他に歩いている人もいない。途中畑作業をしている叔父さんが怪訝そうに私を見たので軽く会釈。しばらく進むと県道の下に爽やかな利根川の風景が広がる。
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断層と雌滝
さらに進むと、山肌に壮観な長い断層が現れる。トンネルを抜けると棚下不動の滝の駐車場がある。この滝は雄滝、雌滝からなる。駐車場から雄滝に向う登坂の途中からその断層の割れ目を落下する「雌滝」を望むことが出来る。
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棚下不動の滝〜雄滝
この坂道を登ると途中に棚下不動堂がある。先にも路が続いているがすぐ終点になる。不動堂の中に入り裏の約190段の石段を登りつめると雄滝の滝下に着く。滝の裏には、抉られた巨大な洞窟があり、結果として裏見の滝となっている。滝が洞窟を造ったのではなく洞窟の上に滝ができたよう思える。過去中越地震以上の大きな地殻変動でこの辺りの断層や洞窟ができてその後に流れが変わりこの滝ができたのではないかと思われ自然の脅威を感じさせられる。 |
日本の滝百選
棚下不動の滝(雄滝)
赤城村大字棚下字大岩
37メートルの断崖を一気に流れ落ちるこの滝が「日本の滝百選」の一つに選ばれました。初夏は、新緑、秋は紅葉に包まれ、さほど深山ではないが、深山幽谷に遊ぶ心持がし、仙境を感じさせるものがあります。これより北側には、雌滝(落差40メートル)があり「赤城村音頭」の歌詞(雄滝雌滝の仲の良さ)として、村民に親しまれています。石段下の棚下不動堂は、毎年1月28日が縁日で、文化3年(1806)赤城村勝保沢の大工星野幸右衛門の手に成った入母屋造唐破風向拝の彫刻の美しい建物でありましたが、昭和56年の火災によって失われ、現在のものは、再建されたものです。岩窟の不動堂奥院には、石造の不動明王が祀られています。
現地の看板より
今回は、付近に蕎麦屋がなかったので、東武線との乗換駅の伊勢崎で駅の外に出て「ジャンボ焼蕎麦(350円)」を賞味した。
伊勢崎線は始発駅だったので座ることができ、すぐに眠りに入った。
目が覚めると電車は満員で目の前で若い女性が床にしゃがみ込んで寝ている。周りには多くのお年寄りが座っていたり立っていたりしていたが皆元気そうだ。お年寄りが若者に席を譲ることもあってもいいのではないかと思いながら、十分睡眠が取れた私が彼女に席を譲った。彼女は立っている老人方に気兼ねしているようだったが、周りから促され座席につくとすぐに深い眠りについた。 皆様連休お疲れ様。
2005年5月5日
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